Works

WeBank Exhibition

設計期間: 2018-2019
所在地:広東省深圳市
主要用途:展示館
延床面積:970㎡
展示企画:北京雪格伝媒科技有限公司
状態:竣工
撮影:張超

 

WeBankは、中国を代表するFINTECH企業であり、情報産業と金融を結びつけた多様なサービスを提供している。本プロジェクトは、このWeBankのサービスを体験できる展示館のインテリアデザインである。WeBankの提供するサービスでは、人工知能、ブロックチェーン、クラウドファンディング、ビッグデータなど、あらゆる最新のIT技術が駆使されており、展示館のインテリアにおいても、このような時代の先端を走る企業であることが感じ取れるようなデザインが必要とされた。一方で、WeBankの提供するサービスの多くは、WeChatPayなど、一般の人々の日常生活に深く浸透したものであり、これらのサービスは通常の住宅や店舗などで幅広く利用されている。そしてここでは、このような一般家庭や店舗において提供されるサービスが、実際に体験できるようなスペースも要求されており、これらは、より具体的かつ温かみのある空間としてデザインされることが求められた。
ここでイメージされたのは、白い雲のような空間のなかに、いろいろな体験スペースが寄り集まって浮いているような情景である。これらの体験スペースは、家庭のリビングルームやキッチンであったり、店舗のバーカウンターであったり、オフィスの会議室であったりする。白い雲のような空間は、無数の情報がネットワークとなって無限に飛び交う世界がイメージされており、みえない情報の無限の網のなかに、我々の日常生活が存在していることを示唆している。
この白い雲のような空間は、天井から柱、床にかけて連続した白い曲面によって構成することで、上下を意識することのない浮遊感のある空間となっている。また柱と柱の間に入る間仕切りも、上下から中央にかけて、白色から透明になるようグラデーションがかけられており、空間の浮遊感を助長し、また各展示区画をゆるやかに区切りつつ、空間を奥まで見通せるような装置となっている。
平面計画については、全体の空間は、エントランスゾーン,住宅ゾーン,都市ゾーン,オフィスゾーン,交通ゾーン,休憩ゾーンと、大きく六つのブロックに分かれている。そして各ブロックの間仕切りは、空間全体を対角線上に仕切るように配置されている。これは正方形に近い空間全体を環状にまわる動線をよりスムーズに流すとともに、シンプルな8.4mグリッドの正方形スペースに対し、より変化のある空間体験をもたらすことができる。各体験スペースも、このような対角線上の間仕切りに沿って配置されることで、一定の秩序を保ちつつ変化に富んだ街中のような空間が生み出されている。